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論文

Lawrencium's place at the table

永目 諭一郎

Nature Chemistry, 8(3), P. 282, 2016/03

103番元素のローレンシウムに関して、発見(合成)から、元素認定に至る経緯、これまでの核的・化学的研究の概要、最新のイオン化エネルギー測定に関する成果を紹介する。また、ローレンシウムの周期表上での位置に関する議論についても紹介する。

論文

High-energy spectroscopic study of the III-V nitride-based diluted magnetic semiconductor Ga$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$N

Hwang, J. I.*; 石田 行章*; 小林 正起*; 平田 玄*; 田久保 耕*; 溝川 貴司*; 藤森 淳; 岡本 淳; 間宮 一敏*; 斎藤 祐児; et al.

Physical Review B, 72(8), p.085216_1 - 085216_6, 2005/08

A2004-0178.pdf:0.19MB

 被引用回数:64 パーセンタイル:87.86(Materials Science, Multidisciplinary)

常磁性Ga$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$Nの電子構造について光電子分光(PES),X線吸収分光(XAS)によって調べた。XAS実験スペクトルを理論計算と比較することによって、GaN中Mnは正四面体配位結晶場中の2価で説明できることがわかった。この結果に従い、Mn2p及びMn3d光電子スペクトルを配置間相互作用クラスターモデルで解析した。これにより見積もられた電子構造パラメータから計算したp-d交換相互作用定数の大きさはGa$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$Asの1.6倍であることが判明した。また、内殻PESからはMn濃度の上昇に伴ってフェルミレベルが降下する様子とバンドギャップ中に新たな状態が生成され増大する様子が観測された。以上のことから、Ga$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$Nにおいて十分な正孔濃度を実現することで高い転移点を持つ強磁性が発現する可能性が実験的に示された。

論文

Resonant photoemission spectroscopy study of impurity-induced melting in Cr- and Ru-doped Nd$$_{1/2}$$A$$_{1/2}$$MnO$$_{3}$$ (A=Ca,Sr)

Kang, J.-S.*; Kim, J. H.*; 関山 明*; 笠井 修一*; 菅 滋正*; Han, S. W.*; Kim, K. H.*; Choi, E. J.*; 木村 剛*; 室 隆桂之*; et al.

Physical Review B, 68(1), p.012410_1 - 012410_4, 2003/07

A2003-0329.pdf:0.49MB

 被引用回数:21 パーセンタイル:68.23(Materials Science, Multidisciplinary)

非常に希薄にCr及びRuをドープしたNd$$_{1/2}$$A$$_{1/2}$$MnO$$_{3}$$ (NAMO) (A=Ca,Sr)マンガナイトの電子状態をMn及びCrの2p$$rightarrow$$3d共鳴光電子分光を用いて調べた。すべてのCr及びRuをドープしたNAMOシステムにおいてMnのe$$_{g}$$成分による金属的なフェルミ端が観測され、これらのシステムの金属的な性質をよく説明する。t$$_{2g}$$$$^{3}$$配置を取るCrの3d状態は、フェルミエネルギーの下約1.3eVにあり、またCrのe$$_{g}$$状態はフェルミエネルギー近傍のバンド形成には関与していない。Cr及びRuが誘起する強磁性と金属-絶縁体転移は、測定によって得られた電子構造によって理解できる。

論文

Angle-resolved soft X-ray emission and absorption spectroscopy of hexagonal boron nitride

村松 康司; 兼吉 高宏*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*

Spectrochimica Acta, Part A, 59(9), p.1951 - 1957, 2003/07

ホウ素材料の状態分析に必要な分光データを取得するため、六方晶窒化ホウ素の軟X線発光・吸収スペクトルを測定し、そのスペクトル形状を分子軌道法を用いて解析した。その結果、六方晶窒化ホウ素のBK/NK X線発光・吸収スペクトルでは明瞭な出射・入射角依存性が観測され、この角度依存性はホウ素及び窒素原子の$$pi$$軌道と$$sigma$$軌道の配向を考慮した電子状態密度スペクトルにより再現できた。また,NK X線発光スペクトルの角度依存性から、窒化ホウ素の層構造の乱れを定量的に評価できることを見いだした。

論文

On the electronic structures of Th$$^{4+}$$ and Ac$$^{3+}$$ hydrate models

望月 祐志*; 津島 悟*

Chemical Physics Letters, 372(1-2), p.114 - 120, 2003/04

 被引用回数:13 パーセンタイル:39.19(Chemistry, Physical)

アクチニドの代表的な4価イオンであるトリウム(Th$$^{4+}$$)の水和モデルをDirac-Hartree-Fock法によって計算し、電子構造を詳細に調べた。比較のため同じ5f$$^{0}$$イオンであるAc$$^{3+}$$のモデルも同様に計算した。Th$$^{4+}$$の場合、空の6dや5f殻への水側からの電子供与が大きいが、合わせて準内殻の6pに「孔」が開き、これにより水側の電子構造も影響を受けていることがわかった。また、有効ポテンシャル近似に誘電体水和場法を組み合わせた計算も併せて行い、妥当なTh-O距離を得るにはバルクの水和場の考慮が重要であることも示した。

論文

XAS and XPS combined analysis using high-resolution and high-flux soft X-ray from synchrotron radiation

松林 信行*; 田中 智章*; 今村 元泰*; 島田 広道*; 斉藤 健

Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.119 - 121, 2002/03

放射光の特性、すなわち励起エネルギーを変化可能なこと、高強度高分解能の偏向性を考慮した場合、X線光電子分光法(XPS)とX線吸収分光法(XAS)をあわせて用いることは、固体表面の元素分析や化学状態分析有効な手法となる。励起エネルギーを変化させ、光電子の運動エネルギーを変えることにより、非弾性平均自由行程の調整を行い、XPSによる非破壊深さ方向分析が可能となる。偏向XASは種々の機能材料に応用されている。共鳴光電子スペクトルの解析による電子構造の分析はチオシアネートの分析に用いられた。XASスペクトルと共鳴光電子スペクトルは放射光研究施設のBL-13Cにて行われた。

論文

Soft X-ray emission and absorption spectra in the C K region of sputtered amorphous carbon films

村松 康司; 広野 滋*; 梅村 茂*; 上野 祐子*; 林 孝好*; Grush, M. M.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*

Carbon, 39(9), p.1403 - 1407, 2001/06

 被引用回数:18 パーセンタイル:58.33(Chemistry, Physical)

電子デバイスなどの超硬質表面保護膜として注目されているスパッタカーボン膜の膜質向上・制御を目指し、分子レベルでの化学結合情報を取得することとその局所構造を解明するため、系統的に条件を変化させて成膜したスパッタカーボン膜のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。その結果、従来のEELSでは識別できなかった微細構造を吸収スペクトルにおいて観測するとともに、発光スペクトルにおけるショルダーピーク強度と吸収スペクトルにおける微細構造ピークの相対強度比が成膜条件に依存することを見いだした。得られたX線スペクトルをDV-X$$alpha$$分子軌道計算法により解析した結果、これらのスペクトル形状はsp$$^{2}$$炭素原子とsp$$^{3}$$炭素原子の結合の組み合わせによって定性的に説明できた。

論文

Soft X-ray emission and absorption spectra in the O K region of oxygen incorporated in microporous carbon

村松 康司; 上野 祐子*; 石渡 洋一*; 江口 律子*; 渡辺 正満*; Shin, S.*; Perera, R. C. C.*

Carbon, 39(9), p.1359 - 1402, 2001/06

環境汚染物質の吸着除去剤や環境触媒などとして注目されている多孔質カーボンにおいて、孔内部の化学反応特性に強く影響を及ぼすと考えられる酸素の化学結合状態を解明するため、多孔質カーボンのOKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceの回折格子軟X線発光分光装置を用いて行った。その結果、従来の分光手法では直接検出が困難であった孔内部の酸素を軟X線発光吸収分光法によって容易に直接検出できることを示した。さらに、得られたX線スペクトルをDV-X$$alpha$$分子軌道計算法により解析した結果、多孔質カーボン中の酸素は従来の熱脱離法で予測されていた-OH,-CHO,-COOHなどの置換基状態では十分に説明できないことがわかった。

論文

発光過程を識別した蛍光収量X線吸収スペクトル測定

村松 康司

X線分析の進歩,32, p.147 - 159, 2001/03

新しい分光計測手法の開拓を目指し、モニターするX線の発光過程を識別した蛍光収量X線吸収スペクトル測定を試みた。分光測定はALSの回折格子軟X線発光分光装置を用いて行い、位置敏感型検出器のエネルギー窓幅を各発光過程のX線スペクトル幅にあわせて変化させることにより、発光過程を識別した吸収スペクトルを得た。具体的には、窒化ホウ素と炭素化合物に適用し、グラファイトとh-BNにおける共鳴弾性X線散乱と蛍光X線を区別した吸収スペクトルを測定した。そらにNiOのNiL吸収端においてNiL$$alpha$$線とL$$beta$$線を区別した吸収スペクトルを測定した。以上から、本法によって内殻励起における発光励起緩和過程と電子構造に関する情報が得られることを示した。

報告書

バンド理論を用いたウラン酸化物の物性に関する研究

手島 正吾

JNC TN8400 2000-029, 54 Pages, 2000/10

JNC-TN8400-2000-029.pdf:1.32MB

本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において平成10年4月から平成12年10月までに博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、3つの内容に分かれる。1)相対論的スピン密度汎関数法に基づくバンド計算法、この計算法をも用いて解析した、2)強磁性体UGe2、3)反強磁性体UO2の電子物性に関する研究である。1)相対論的バンド計算(RBC)法 s、p、d電子系物質を扱うバンド計算法は、基礎面、応用面ともに十分な研究が行われている。しかし、アクチニド化合物のような磁性5f電子を扱うバンド計算法は、非常に複雑でありかつ相対論的アプローチが必要とされるために、その研究が遅れている。本研究では、磁性5f電子に有効な相対論的バンド計算法を定式化した。2)UGe2の電子物性 UGe2は強磁性体であることから、理論による解析が未だ十分に行われていない。そこで、本研究で開発した相対論的バンド計算法を用いてUGe2の電子状態とフェルミ面を解析した。その結果、UGe2は5f電子特有の重い電子系であることが分かり、実験結果と一致する結果を得た。3)核燃料UO2の電子構造 核燃料物質である反強磁性UO2の熱伝導度の振る舞いを把握することは重要である。しかし、熱伝導度に影響を与える電子構造の計算が、相対論的効果を考慮した形では、未だ行われていない。そこで、RBC法を適用し、UO2の電子構造の詳細を明らかにした。

論文

Chemical bonding state analysis of silicon carbide layers in Mo/SiC/Si multilayer mirrors by soft X-ray emission and absorption spectroscopy

村松 康司; 竹中 久貴*; 上野 祐子*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*

Applied Physics Letters, 77(17), p.2653 - 2655, 2000/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:51.49(Physics, Applied)

高輝度放射光に代表される大強度軟X線の分光・集光素子として不可欠な耐熱性多層膜ミラーの開発に資することを目的として、耐熱特性を支配する化合物バリア層の化学結合状態を解明するため、Mo/SiC/Si多層膜におけるシリコンカーバイド層のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。得られたX線スペクトルをDV-X$$alpha$$分子軌道法により解析した結果、このシリコンカーバイド層はh-またはc-SiCの基本構造において一部のシリコン原子を炭素原子で置き換えた炭素過剰な状態にあることが示唆された。併せて、多層膜における化合物層の非破壊状態分析に軟X線発光吸収分光法が有効であることを示した。

論文

Electronic structures of phosphates studied by TEY-XANES and resonant AES

奥出 進也*; 野呂 寿人*; 名越 正泰*; 山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 88-91, p.467 - 471, 1998/00

 被引用回数:9 パーセンタイル:41.21(Spectroscopy)

鋼板の表面処理に用いられ、その耐食性に影響を与える各種リン酸塩についてX線吸収端微細構造法(XANES)及び共鳴オージェ電子分光法を用いて、電子状態の解析を行った。リン酸亜鉛とリン酸クロムのXANESスペクトル(P,K吸収端)から、リン酸クロムでは、リン酸亜鉛にみられないプリエッジピークが観測された。これは、リン酸イオンの結合相手であるCr$$^{3+}$$及びZn$$^{2+}$$の電子配置がそれぞれ[Ar]3d$$^{3}$$,[Ar]3d$$^{10}$$であり、Cr$$^{3+}$$には3d軌道に空きが生じているためと考えられる。また、共鳴オージェスペクトルに現れるスペクテーターオージェピークとノーマルオージェピークのエネルギー差が両化合物で異なることも確認された。

報告書

分子軌道法によるイオン注入材の電子状態の評価

斉藤 淳一; 加納 茂機

PNC TN9410 97-073, 69 Pages, 1997/07

PNC-TN9410-97-073.pdf:1.74MB

セラミックスおよび金属材料のナトリウム耐食性に及ぼすイオン注入の効果を明らかにするために、分子軌道法の一つであるDV-Xaクラスター法を用いてイオン注入材の電子状態を計算した。計算の対象とした材料はセラミックスがb-Si3N4, a-SiCおよびb-SiC、金属材料がf.c.c. Fe, b.c.c. Feおよびb.c.c. Nbである。セラミックスへの注入原子としてFe, MoおよびHf原子、金属材料への注入原子としてN原子をそれぞれ選択した。それらの金属元素はこれまでの実験から液体ナトリウム中で優れた耐食性を示すことが知られている。その結果の要約を下記に示す。 セラミックス材料では注入原子のエネルギーレベルはバンドギャップ中に現われた。電荷移行量を示すイオン性や原子間の結合力を表わす結合次数が基材や注入元素により変化した。b-Si3N4は注入原子によりイオン性は小さくなり、イオン結合性が低下した。イオン性の減少量は注入原子に依存し、Hfイオンを注入したとき最も減少した。また、b-Si3N4とa-SiCは注入原子により結合次数が減少した。b-SiCの侵入サイトに注入原子が入った場合、イオン性が減少し結合次数が増加した。 金属材料にN原子を注入した場合、N原子のs,p電子の状態密度は低いエネルギーレベルに現われていた。周りの金属原子からN原子へ電荷移行が起きているため、N原子のイオン性は大きくなっていた。N原子の注入により、母金属同士の結合次数は減少した。特にb.c.c. Feとb.c.c. Nbで顕著であった。そのため、クラスター全体の結合次数はf.c.c. Feを除き大きく減少した。 以上の計算結果から、b-Si3N4は注入原子によりイオン結合性が低下するため、耐食性の向上が期待できる。a-SiCとb-SiCは注入原子が侵入サイトに入った場合にイオン結合性が低下するため、耐食性の改善する可能性がある。注入原子の中ではHf原子が最も効果のあることが明らかになった。f.c.c. FeでN注入によりFe原子とN原子間の共有結合が増加したため、f.c.c. Feのナトリウム耐食性の向上が期待できることがわかった。

報告書

アクチニド系化合物における分子軌道法に関する研究(3)

巽 和行*

PNC TJ8603 97-003, 29 Pages, 1997/03

PNC-TJ8603-97-003.pdf:1.52MB

本研究は,拡張ヒュッケル法を用いてアクチニド錯体の化学状態を理論的に把握することを目的とする。核燃料リサイクルの基礎研究において,積極的に理論化学および計算化学の手法を導入する試みに挑戦することが重要で,原子力基盤技術としての理論計算化学を構築することが不可欠である。この観点に立ち,平成6年度はアクチニドおよび密接に関連したランタニドの拡張ヒュッケル用計算パラメーターの決定を行なった。引き続き平成7年度には代表的なアクチニド化合物の電子状態計算を行ない,結合の性質と反応性に関する理論解析に成功した。本年度はランタニド錯体を主にとりあげ,その電子状態を拡張ヒュッケル法で計算するとともに,関連アクチニド錯体の電子状態と比較した。さらにこの結果を利用して,溶液中に共存するランタニドイオンとウラニルイオンとの分離を試みた。分子軌道計算を行なったランタニド錯体はサマロセンとその誘導体で,ランタニドと種々の炭素供与型配位子および窒素分子との相互作用を調べた。その結果,Cp2Smが異常に屈曲した幾何構造をとる電子的原因が明らかになった。また,配位子との結合が主にランタニドの5d,6s,6p軌道によって形成されることを見いだした。結合に対するランタニド4f軌道の関与は対応するアクチニド5f軌道に比べてずっと小さい。さらに,サマリウムとアルキル配位子,アルカン,アルケン,アルキン,窒素分子などとの共有結合的相互作用は弱く,一般にランタニド配位子結合のイオン性がアクチニド錯体よりも高いことを示した。配位子とランタニドおよびアクチニドとのイオン結合性の違いを念頭において,溶液中に共存するランタニド(III)硝酸塩とウラニルイオン(2+)硝酸塩との分離実験を行なった。分離用多座N供与性配位子をデザインし,ビタミンB1から安価に合成できる新規ピリミジン環状6量体を合成した。この配位子を用いると,La(III)とウラニルが高効率に分離できることが明らかになった。Ce(III),Pr(III),Nd(III)でもウラニルと効率良く分離されるが,Gd(III)や重ランタニドでは分離能が悪くなる。

報告書

原子スペクトル計算コードASPECTの理論と実際

井本 正介*; 若井田 育夫

JAERI-Data/Code 96-017, 62 Pages, 1996/03

JAERI-Data-Code-96-017.pdf:1.89MB

本コードASPECTは原子またはイオンの電子レベルのエネルギー及び固有ベクトルを純粋に量子力学的な取り扱いによって計算するもので、レベル間の遷移やイオン化の確率を求め得るようにも拡張されている。ランタニドやアクチニドに見られるf電子を含む複雑な電子構造の場合にも適用可能である。本報告では、計算の基礎となる中間結合方式とその量子力学的取り扱いについて述べ、コードの構成について説明している。また、計算例を含む使用のためのマニュアルを付した。

論文

Electronic structure of N$$_{2+}$$ and O$$_{2+}$$ ion-implanted Si(100)

山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉

Surface and Interface Analysis, 23, p.381 - 385, 1995/00

 被引用回数:17 パーセンタイル:53.88(Chemistry, Physical)

Si(100)表面に5keVのN$$^{+}$$,O$$^{+}$$イオンを注入し、イオン注入層の電子構造についてX線光電子分光法(XPS)、X線励起オージェ電子分光法(XAES)およびX線吸収端微細構造法(XANES)により解析した。O$$^{+}$$注入の場合、XPS(Si2p),XAES(SiKLL)スペクトルは3$$times$$10$$^{17ions}$$/cm$$^{2}$$以上でSiから急激にSiO$$_{2}$$の位置へとケミカルシフトが生じる。またXANESスペクトルでは双極子選択則よりSi2p$$rightarrow$$Si3s,Si2p$$rightarrow$$Si3d,Si2s$$rightarrow$$Si3p遷移による吸収ピークが観測され、いずれも4.5$$times$$10$$^{16ions}$$/cm$$^{2}$$以上で3~4eV高エネルギー側にシフトする。これらの構造は既報のSiO$$_{2}$$のスペクトルに類似しており、O$$^{+}$$注入層がSiとSiO$$_{2}$$の混合層からなることを示唆する。一方N$$^{+}$$注入ではこれらのスペクトルのシフトは照射量の増加に従ってゆるやかに生じ、N$$^{+}$$注入層がSiとSi$$_{3}$$N$$_{4}$$の混合層ではなく、SiとNとのランダムな結合を形成しているものと考えられる。

論文

超ウラン元素に関する最近の化学研究

G.T.Seaborg*; 山下 利之

日本原子力学会誌, 31(7), p.805 - 811, 1989/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.46(Nuclear Science & Technology)

超ウラン元素(TRU)のうちCmからHaまでの元素について、最近行われた化学研究に重点を置いて述べる。マクロ量が使用できるEsまでの元素については、電子構造、結晶構造、熱力学量など固体化合物の研究が行われている。それ以上の元素についてはトレーサー量を用いた溶液化学中心の研究が行われており、酸化状態、イオン半径、蒸気圧などが調べられている。LrとHaの研究には、「シングルアトム化学」の手法が用いられたが、今後、超アクチノイド元素の化学研究を進めるためには、この「シングルアトム化学」手法を確立させると共に、高中性子束炉及び高出力加速器の建設の必要性を指摘した。本稿は本年2月に行われた「原子力先端研究国際シンポジウム」で、シーボルグ教授が行なったと題する講演の抄訳である。

口頭

1$$sim$$3.5keV領域ワイドバンド多層膜回折格子の開発

今園 孝志; 小池 雅人

no journal, , 

薄膜型太陽電池の光吸収層の物性研究において、軟X線発光分光法は、光吸収層等の埋もれた物質の化学結合状態を非破壊的に、元素選択的に励起及び評価することができる計測手法として有効である。これまでの研究において、2000$$sim$$4000eV領域の回折効率を一様に高めることができるワイドバンドW/B$$_4$$C多層膜回折格子を開発した。しかし、これを用いたとしても、CIS系太陽電池の主成分(Cu-$$L$$(0.9keV), In-$$L$$(3.4keV), Se-$$L$$(1.4keV))からの発光計測用途としては実用的とは言えないため、当該領域(0.9$$sim$$3.5keV)をカバーできる新しいワイドバンドNi/C多層膜回折格子と分光器を開発した。

口頭

電子顕微鏡用平面結像型軟X線回折格子発光分光器の開発とその性能

今園 孝志; 小池 雅人; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; 寺内 正己*; 高橋 秀之*; et al.

no journal, , 

電子顕微鏡に搭載でき、50$$sim$$4000eV領域の発光スペクトルを高分解能計測できる平面結像型回折格子分光器を開発した。回折格子の光学特性は、放射光を用いて回折効率を、レーザープラズマ軟X線を用いて分解能を評価すると共に、透過型電子顕微鏡に搭載した軟X線分光器を用いて、金属リチウムからのK発光スペクトル(54eV)や透明酸化物半導体(ITO)からのInとSnのL発光スペクトル(3.6keV近傍)の高分解能計測等に成功した。

口頭

1$$sim$$3.5keV領域をカバーするワイドバンドNi/C多層膜回折格子を用いた平面結像型軟X線分光計の設計

今園 孝志; 小池 雅人; 倉本 智史*; 長野 哲也*; 小枝 勝*

no journal, , 

CIS薄膜太陽電池において光吸収層を構成するCu, In, SeからのL発光線(Cu: 0.9keV, In: 3.4keV, Se: 1.4keV)を計測するための平面結像型軟X線回折格子分光器を設計した。当該領域(0.9$$sim$$3.4keV)を一定入射角でカバーするために、非周期Ni/C多層膜をラミナー型不等間隔溝回折格子に積層したワイドバンド多層膜回折格子を考案した。回折格子及び検出器の駆動機構が不要なため、全エネルギー領域を同時に高分解計測することができる。

口頭

電子相関効果によるBa$$_{0.75}$$K$$_{0.25}$$Fe$$_{2}$$As$$_{2}$$の磁気励起バンドの繰り込み

村井 直樹; 梶本 亮一; 鈴木 雄大*; 中島 正道*; 池田 浩章*; 出田 真一郎*; 田中 清尚*

no journal, , 

鉄系超伝導体の発見以来、その磁性・超伝導を対象とした中性子散乱研究が盛んに行われてきた。今回我々はホールドープ型鉄系超伝導体Ba$$_{0.75}$$K$$_{0.25}$$Fe$$_{2}$$As$$_{2}$$の磁気励起の測定をJ-PARCチョッパー分光器「四季」にて行い、ブリルアンゾーン中心から境界までをカバーする磁気励起データを得た。得られた磁気励起の運動量・エネルギー方向の構造は、同一試料のARPES測定から決定されたバンド繰り込み因子を考慮することで、5軌道模型に 対する乱雑位相近似(RPA)により再現される。これらの結果は、電子相関効果としてしばしば現れる電子バンドの繰り込み効果が磁気励起においても現れることを意味する。講演では鉄系超伝導体の電子構造の情報がどのように磁気励起スペクトルに反映されるのかについて議論する。

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